「一人経理」のリスクとは? 中小企業が抱える問題を経理代行で解決した事例も紹介
経理は企業の重要な業務の一つであり、正確かつ効率的な処理が求められます。
しかし、中小企業では経費削減や業務効率化のために、1名の経理担当者が全ての経理業務を担当する「一人経理」が行われることがあります。
一見すると効果的な方法のように思えますが、一人経理にはいくつかのリスクが存在します。
「一人経理」とは?
「一人経理」とは、中小企業において経理業務を1人の担当者が独占的に行う状況を指します。
この場合、経理業務全般、例えば仕訳処理、財務報告、税務申告、決算業務など、あらゆる業務が1人の担当者によって遂行されます。
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「一人経理」が抱えるリスクとは?
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一人経理は、効率化や経費削減の観点から選ばれることがありますが、以下のようなリスクを伴います。
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➀人的リスク
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一人経理の担当者が急に病気や怪我で働けなくなった場合、経理業務が滞る可能性があります。そのため、業務継続のリスクが生じます。
②知識不足
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経理業務は専門知識を要するため、1人の担当者が全てを把握することは難しい場合があります。
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知識不足や経験不足によって、間違いが生じる可能性があります。
③内部統制の欠如
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経理業務の内部統制が弱くなることも懸念されます。
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たとえば、経理業務の監査やチェックが不十分になり、不正行為やミスが発生するリスクが高まります。
④時間と精神的負担
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1人の担当者が多岐にわたる経理業務をこなすため、その担当者に時間と精神的な負担がかかります。
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これにより、ミスが頻発してしまうといったリスクがあります。
⑤リスク分散の欠如
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一人経理では、経理業務に関する知識や情報が1人の担当者に集中してしまいます。
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そのため、万が一その担当者が退職や業務を離れた場合には、会社は大きなリスクに直面することになります。
⑥業務の停滞の遅延
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一人経理では、担当者の負荷が非常に高くなります。
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そのため、他の業務や重要な業務への対応が遅れ、経理業務自体の質やスピードが低下する可能性があります。
⑦監査への対応の困難さ
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監査や税務調査などの対応が必要な場合、一人経理では時間的な制約や負担が大きくなります。
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必要な情報や文書の整理・提出に時間がかかり、対応が滞る可能性があります。
⑧業務専門性
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一人経理では、担当者が他の業務に関する専門知識やスキルを習得するための余裕がありません。
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そのため、会社全体の業務において経理の専門性を活かすことが難しくなります。
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経理代行を活用して「一人経理」のリスクを回避した事例
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会社Aは一人経理体制で業務を運営していましたが、経理業務の過負荷や専門知識の不足から、業務の遅延やミスが頻発しました。
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そこで、会社Aは経理代行サービスを導入しました。
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経理代行業者は、会社Aの経理業務を専門的に担当し、仕訳や帳簿の管理、給与計算、税務申告などを正確かつ迅速に行いました。
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さらに、経理代行業者は法令や税務制度の変更にも常に対応し、会社Aの合法性と信頼性を確保しました。
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結果として、会社Aは業務の効率化と精度向上を実現し、経理部門の業務負担が軽減されました。
会社Bは経理担当者が急な病気で休職した際に、一時的に経理業務がストップするというリスクに直面しました。
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しかし、会社Bは経理代行サービスの契約をしており、休職中の経理担当者の代わりに経理代行業者が業務をサポートしました。
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そのため、業務の停滞や遅延を最小限に抑えることができ、会社の経営に大きな影響を与えることはありませんでした。
このように、経理代行サービスは、専門的な知識と経験を持つ専門家に経理業務を委託することで、一人経理に伴うリスクを回避する有効な手段となります。 -
突然経理を任されてしまった
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一人経費で考えられる一番のリスクは上記の会社Bのように、経理担当者が急に業務が出来なくなることかも知れません。
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そして、これに似た例として担当社員の急な退職によるリスクはよくあることではないでしょうか。
それなりの規模の企業であれば経理部も複数の社員で構成されており、急な社員の欠員でもなんとか対応できますが、規模の小さな企業の経理は前述のように1人の社員が担うことが多く、その経理担当者が突然退職してしまったら、企業はたまったものではありません。
以前勤務していた会社の話になりますが、経理担当者が退職することになりました。
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私はその後任として担当を任されたのですが、引継ぎ期間は1ヶ月しかありませんでした。
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その担当者の退職は急なものではなく前々から分かっていたはずなのに、全体的な人員不足が原因なのか、突然経理を任されることとなったのです。
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当時の私は会計の知識はなく、1ヶ月で仕事も覚えられる訳もなく、ないないだらけで経理業務をスタートさせた事を覚えています。
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また、経理業務には月次業務と年次業務がありますが、当然年次業務の引継ぎはありませんでした。
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不安を抱えながら業務をこなし、危うく数桁大きな金額を取引業者に支払おうとした事さえあります。ミス連発の日々です。
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幸い、会計事務所のサポートがあり、なんとか業務を進める事が出来ました。
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まとめ
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「一人経理」は、中小企業において経費削減や業務効率化の手段として選択されることがありますが、そのリスクも存在します。
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人的リスク、知識不足、内部統制の欠如、時間と精神的負担、リスク分散の欠如などです。
これら「一人経理」のリスクは中小企業にとっては重要な課題と言えます。
経理業務では、会社の財務状況を正確に把握し税務申告や決算業務などを適切に行なわなければなりません。
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そのため、経理業務には専門的な知識と経験が必要であり、それらを1人の担当者で行うのは非常困難なのではないでしょうか。
経理代行サービスの活用は、これらのリスクを軽減し、経理業務の効率化と質や精度の向上を図る上での有効手段となります。
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専門知識と経験豊富なスタッフの提供、人的リスクの軽減、内部統制の強化、時間と負担の軽減、専門性と効率の向上、監査への対応の強化など、経理代行サービスの活用による利点は数多くあります。
そして、経理代行サービスの利用を検討する際には、信頼性や実績のある代行会社を選ぶことも重要です。
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会社のニーズに合った最適な経理代行サービスで、経理業務のリスクを回避し、会社の成長と安定を実現することができるでしょう。
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